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【PRBLOG】Mighty Shine 〜こだわりを知る。ハット製作から職人道具まで〜
こんにちは。
PRの草壁です。
前回はデザイナー菊地氏のスペシャルインタビューで、
菊地氏の経歴からMighty Shine設立までのお話などをご紹介させていただきました。
◆インタビューブログはこちら
今回は、vol.3!
〜こだわりを知る。ハット製作から職人道具まで〜
をご紹介いたします!

それではハット製作の全貌をご紹介していきます!
ハット製作の大枠は5段階あり、
1.生地を蒸す
2.形を作る&整える→乾かす
3.ブリム(ツバ)を切る
4.リボンをつける
基本的な大枠はこの4段階となっています。
細かく見ていきましょう。
【1.生地を蒸す】

仕入れの段階である程度ハットらしい形に仕上がったものを、
このように蒸気を当てていきます。
なぜ蒸気を当てるのか?
ウールフェルトは、高温の蒸気を当てると
柔らかくなり、伸びやすくなるためです。
そうすることで、「2.形を作る&整える」の工程で
形を整えやすくなります。
ただし、熱が逃げて冷めてしまうとまたグッと収縮するので、
冷めた後に変形する心配はありませんのでご安心を!

次に行う作業が、、
【2.形を作る&整える】
この段階2では、下にあるような木型に
先ほどの素材をはめ込んでいき形を作っていきます。

木型にも様々な形がありますね。
お気づきだと思いますが、この木型選びが
ハットのメインとなるクラウンの形となるため、
フルオーダーの際はこの木型選びが重要になってきます。

このように先ほど蒸気で温めた素材が冷めないうちに
丁寧に手で馴染ませながらはめ込んでいきます。

そのあとは、霧吹きで水分を与えて、
アイロンで丁寧にトップの形を整えていきます。
ちなみに霧吹きにもこだわりがあるそうで、
よくよく話を聞くと、
「こんなクラシックなことやってるのに、
100均の霧吹きだとダサいでしょ!笑
まあ100均のでも支障はないんだけどね!」
っという意外な答えが!
それでも、霧吹き一つとってもそこまで
こだわっているところがかっこいい!

ちなみにアイロンは、D.B.K社のドイツ製アイロン。
次は新型で出ている蒸気が出るタイプを狙っているのだとか!
【2.形を作る&整える】
次に行う作業がこちら。

菊地氏曰く、この作業がハット製作の中で
一番重要な作業だそうです。
先ほどでトップの形が綺麗に整ったあとに、
このように紐を巻きつけていきます。

形を整える大事な作業なので、
しっかり結んでいきます。
なんで紐を結ぶの?っと思われたのではないでしょうか?
私も見た時は、??となりました。笑
答えはこちら!

このようにグッと締め付けた紐を、
木の棒で下へ下へと下ろしていくことで、
木型とハットの間に余分な隙間を作らないためです。
昔のハット職人と同じ手法で作られており、
世界を見てもこの手法のハンドで作れる人も少ないそうです。
これを見てしまうと、フルオーダーで作りたくなるのは
当たり前ですよね(笑)
ちなみに先ほどの木の棒は、この紐を下すため"だけ"の棒らしく、
どこで売ってるのかをお聞きしたところ、
「売ってないから作ってもらいました。」だそうです。
これが前回のブログでご紹介した、
無いなら道具も作ればいいという事を
リアルに体現されているのを目の当たりにした瞬間でした。

本日二回目の写真の登場です!笑
一番大事な作業だよ!と熱弁されているところです。
ちなみに、、

このハットに紐をくくりつける作業をさらっと
ご紹介しましたが、実はここにも特別なこだわりが!
この結び方は、漁師の方が日頃よく使う縄の結び方だそうで、
片方を引っ張るとグッと締まり緩まず結びつけられ、
反対側を引っ張るとさらっと緩むような結び方だそうです。
そうすることで、ハットも傷つかず緩めることができるため、
ハット製作に非常に適した結び方なんだそうです。
ちなみにこれも菊地氏独自の方法論で、
昔の漁師の知恵に敬意を払い、それを見つけ出し
活用している研究熱心なところには驚かされます。

最後まで紐が落ちたら、
次はツバをグッと引っ張り形を整え、画鋲で固定します。
その後、毛並みを読みながらブラッシングをしていきます。
ここのブラッシングも最終的な肌触りに影響する大事な作業で、
ブラシも浅草にある大正3年創業の「かなや刷子」のものを使用。
最後に風を当てて乾かせば、
2.形を作る&整える→乾かすは完了。

【3.ブリム(ツバ)を切る】
まずは、道具のご紹介!
こちらも正確な楕円形にツバを切るため"だけ"の道具で、
このようにツバの長さを調節できる仕様になっています。
中には、数ミリ単位でオーダーされる方もいらっしゃるそうで、
そのようなものに対応するにはこの道具が一番適しているそうです。
※ちなみに工場でつくられるハットは、
数十個の点を目印にカットしていくため、
本当のキレイな楕円形がなかなか作れないそうです。

ちなみにこの道具のメーカーさんは
やっとの思いで見つけ出したそうで、
そのメーカーさんに特注で作ってもらった代物だそうです。
これは企業秘密とのことでした。



仕上がりはこちら。
キレイなカットラインは職人技そのものですね。

4.リボンをつける
最後にリボンを縫いつけたり、ツバにパイピングを
施したりという作業を経て、ハットの完成となります!
いかがでしたでしょうか?
正直、ここまでの工程をご紹介していいものかと
思っておりましたが、菊地氏は、
「見ても真似できることじゃないから大丈夫。」
の一言でした。
何度も何度も失敗を繰り返し、
新たな手法を試行錯誤し、
数十年かけて辿り着いた独自の方法は、
おそらく真似したくても"できない"域の
職人さんしかわからない世界なのでしょう。
こんな素敵な方が作るハットは、
"一生モノ"に違いないと思います!
そんな貴重な機会が今週の土日(9/17-9/18)に
開催されるなんて、楽しみで仕方ありません!
ぜひ、皆様この機会に"一生モノ"のハットを
手に入れて気分を上げていきましょう!
【その他道具たちのご紹介】



